山形県河北町の名物と言えば、何と言っても冷たい肉そばでしょう。冷たい肉そばは今でこそ山形全土のソウルフードとなっていますが、もともとの発祥地が河北町だというのはあまりにも有名な話です。

今回は、河北町にある『といや』が寒河江市ほなみに出した分店『といや ほなみ分店』にお邪魔しました。ほんのりカレー風味が美味しすぎる元祖かつ丼がセットになった「といや名物セット」をご紹介します。

『といや ほなみ分店』ってどんなお店？

『といや ほなみ分店』は、河北町にある本店『といや』の分店として隣の寒河江市ほなみに出店したそば屋さんです。

ここで、『といや』という名前の由来をご紹介しましょう。

ご覧のように、創業した頃の『といや』は魚を取り扱う問屋だったそうです。『といや』とは問屋の呼び方で、昔ながらの屋号がそのまま残されて現在の店名になったのだとか。

それから、最も驚いたのが『といや』はもともとそば屋さんではなく洋食屋さんだったということ。しかも、明治21年（1888年）に河北町で初めて洋食を提供したお店だったそうです。

洋食屋さんからそば屋さんに転身した理由は分かりませんが、100年以上も続いているという歴史からも分かるように、長い間河北町で愛され続けてきたということは確かでしょう。

『といや ほなみ分店』に行ってみた

店内は、入り口から奥の方へ向かってこのようにテーブル席が用意されています。手前にもテーブル席が2セットほどありました。

山形のそば屋さんらしく、ラーメンのメニューも充実しているようです。

そして、こちらが名物の河北肉そばの説明と・・・

かつ丼の説明です。

肉そばは温かい肉そばと冷たい肉そばの両方から選べますが、説明にもあるようにそばのコシが楽しめる冷たい肉そばがおすすめとのこと。冬場の寒い時期でもやはり冷たい肉そばが売れ筋のようです。

肉そばに関しては、とくにこれと言って特筆するような珍しさはなさそうですが、かつ丼の説明をよく見てください。一般的なかつ丼にはあるアレがないんです。

そう、卵！

『といや』のかつ丼は、元祖かつ丼とも名付けられているように、卵でとじたかつ丼ではなく、店主のお祖父様がくじらの缶詰の煮汁にヒントを得て考案した、醤油ベースのタレで味付けされているかつ丼なんです。これは、かなり気になりますよね！

『といや ほなみ分店』のメニュー

では、改めて『といや ほなみ分店』のメニューを見ていきましょう。

そばのほか、きしめん、中華そば、ごはんものがあり、メニューをパッと見たところ「いかにもそば屋さん！」という感じはあまりしません。そば屋さんというよりも道の駅やサービスエリアでよく見るメニューのような感じで、ジャンル的にはメニューが豊富だという印象を受けました。

ここまでメニューが豊富だと優柔不断なわたしは迷ってしまうのですが、そんなときはお店のおすすめメニューにするのが一番！定番の冷たい肉そばと、気になって仕方ない元祖かつ丼がセットになった「といや名物セット」を選べば間違いないでしょう。

『といや ほなみ分店』の「といや名物セット」を注文してみた

「といや名物セット」には、肉そばが通常の量の半分になっている普通盛りセットと、通常よりもやや少なめになっている大盛りセットがあります。わたしは普通盛りセットを注文しました。

まず、冷たい肉そばのほうは、甘さ控えめであっさりしたつゆが美味しい！さっぱりしているのに旨みとコクもちゃんとあり、ごくごく飲めてしまうほどです。そばもしっかりコシがあり、噛みごたえも抜群。コキコキした食感の親鳥も食べごたえがありました。ハーフサイズなのに量もたっぷりで満足感が大きかったです。

そして、気になって仕方なかった元祖かつ丼ですが、これも衝撃の美味しさでした！サクッとした衣にジュワッとした醤油ベースのタレが染み込んでいて、噛めば噛むほどにカレーの風味が口いっぱいに広がっていきます。

「雪若丸」を使ったごはんにタレが染み込んでいて、それだけでもごはんが進む美味しさ！とんかつの肉質もやわらかく、力を入れずとも肉が口の中でほぐれていきます。最後のほうは、どんぶりを持ってごはんをかきこみました。

この「といや名物セット」、最強かもしれません。

『といや ほなみ分店』の営業時間やアクセス

『といや ほなみ分店』の営業時間やアクセスなど、店舗情報は以下になります。

河北町の本店にもそのうちお邪魔したいと思います！