【日本国】令和元年!初登山はその名も『日本国』555m!
令和元年おめでとうございます。
元号が変わって、記念すべき初登山はどの山にしようかと考えていたところ、ふと思い出したのが今回登った山。
『日本国』という山らしからぬ名前と、標高555mというゾロ目が印象的で、以前から「何かの節目に登りたいなー」と思っていたんですよね。
今回は、令和になって初の山登り、日本国登山の様子をレポートします!
日本国とは
日本国は、山形県と新潟県の県境に位置する山で、漁師が船を帰港させるときの目印とされてきた山です。
読み方は「にほんこく」または「にほんごく」。
山とは思えないこの名前の由来には、大和朝廷が支配する地域の最北端としてここまでを日本国としたという説や、この山で捕らえた鷹を献上したところ将軍がとても喜んで、鷹が捕らえられた山を日本国と名付けるよう命じたという説など、諸説あるようです。
出典:やまがた山
標高 | 555m |
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歩行時間 | 片道:1時間30分~2時間 |
登山適期 | 4月~11月 |
グレーディング | 体力度:1/技術的難易度:A(中の俣コースの場合) |
チェックポイント | ラジウム鉱泉/沖見峠/山頂展望台/休憩舎/蛇逃峠/椿の群生地/蔵王堂 |
日本国の山頂には、休憩舎や記帳場、展望台が整備されています。
西に広がる日本海には粟島や佐渡島、北には鳥海山、東には月山や朝日連峰を望むことができる、展望の山です。
日本国の登山コース
日本国の登山コース①中の俣コース | 片道:1時間30分 |
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②小俣コース | 片道:1時間30分 |
③蔵王堂コース | 片道:2時間 |
①中の俣コースは、林道から杉林、雑木林の急登を登る登山コース。
道幅の狭い登山道は荒れ気味で、傾斜が急なところもありますが、一本道なので道迷いの心配はありません。
林道への分岐から500mほどのところに、約3台分の駐車スペースがあります。
②小俣コースは、新潟県村上市小俣集落にある“日本国ふれあいパーク”と道路を挟んだ向かい側が登山口になります。
杉林→ブナ林→赤松という順に違った雰囲気が味わえる登山コースで、新潟県の長距離自然歩道にも指定されています。
途中の沖見峠からは日本海を見渡すことができ、蔵王堂コースとの合流点である蛇逃峠からは朝日連峰や麓の集落を広く見下ろすことができます。
眺望の良い尾根道を歩くことができる、おすすめの登山コースです。
③蔵王堂コースは、蔵王堂→椿の群生地→蛇逃峠と進み、②小俣コースと合流して山頂に至る登山コースです。
東屋のある蛇逃峠から一旦下り、そこから100mほどの標高差を一気に登り上げれば山頂です。
②の小俣口から③の蔵王堂口までは1kmほどの距離なので、②と③を合わせて周回することも可能です。
日本国登山口~沖見峠
新潟県村上市小俣集落にある“日本国ふれあいパーク”。
“日本国ふれあいパーク”は、小俣小学校の跡地に作られた施設。
跡地の一部が駐車場になっています。
日本国の山開きは例年5月5日。
これは555mという日本国の標高にちなんでのことだそう。
“日本国登山道入口”は、日本国ふれあいパークから道路を挟んで向かい側にあります。
さて、小俣口から日本国登山スタートです!
入山というより、入国ゲート??笑
小俣コースの序盤は明るい杉林から始まります。
↓ラジウム鉱泉
水量は少ないですが、冷たい水がちょろちょろと出ていました。
ヤマツツジがちらほら咲き始めています。
案内標識には“松ヶ峰広場”の文字。
こちらが最初の休憩広場、“松ヶ峰広場”になります。
ベンチが設置されているので、少し休憩していくことにしましょう。
松ヶ峰広場から日本国山頂まではあと1.6km。
次の休憩所は“沖見峠(沖見休憩所)”です。
フレッシュな若草色の新緑が美しいブナ林の中を進んでいきます。
沖見峠~蛇逃峠
気持ちの良いブナ林の中にぽっかりと開けた空間が出てきたと思ったら、そこが“沖見峠”と呼ばれる絶景ポイントでした。
日本海に向かって座ることができるよう、このようにベンチが数台置かれています。
沖見峠から望む日本海。
沖にうっすらと見えるのは粟島でしょうか。
ここまでで今日一番の絶景に出会えたことに感激!
日本海から吹きわたってくる心地よい風に、思わず大きく手を広げてしまうわたし。
ベンチに腰掛けて小休憩をしたら、山頂に向けて再び出発です。
案内標識には、“蛇逃峠”という何やら心がざわざわする名前の峠が・・・
木漏れ日が降り注ぐブナ林の中、気持ちの良い山歩きが続きます。
この辺りから、ちらほらと赤松の木が増えてきます。
頭上いっぱいに広がる新緑を見上げながらの山登りは清々しいの一言!
眺望の良い尾根道から見える景色。
この景色を切り取って額縁に入れたいくらい、絵になりますよねー!
目指すは日本国、あの山のてっぺんです!
蛇逃峠~日本国山頂
気持ちの良い尾根道を登り上げると、東屋のある蛇逃峠に到着しました。
蛇逃峠は蔵王堂コースとの合流点になっていて、登ってきた小俣コースのほかに東側に下る道があります。
下山はその蔵王堂コースを下る予定です。
蛇逃峠からの眺めがこちら。
日本国の麓にある中の俣集落や小俣集落が見えます。
そして、遠くには朝日連峰。
雪渓が残っているのが遠目にもよく分かりますね。
“日本国を愛する会”が設置した案内標識によると、蛇逃峠から日本国山頂まではあと500mの道のり。
山道の500mは平地でのそれとは全くの別物なので、いつも気休め程度にしか参考にしていませんが、目に見える指標があるのとないのとでは気分的に違いますよね!
蛇逃峠を越えたら一旦下り坂。
“鷹待場”と記された看板がありました。
看板には、日本国という山名の由来となった出来事が書かれています。
標高555mの日本国。
こうやってみると、かなりなだらかな傾斜の山ですよね。
新緑に映える鮮やかなピンク色のツツジ。
整備されて歩きやすい登山道。
椿の花がかろうじて残っていました。
スミレは満開。
淡い紫色は、わたしが大好きなカラーのひとつ。
そう言えば、こんな色の洋服が多いかも・・・
下り坂を下り切ったら、あとは100mほどの標高差を一気に登っていきます。
日本国山頂まで、あとわずかです。
日本国山頂
日本国のてっぺんに到着~!
山頂には、テーブルセットのほか、ベンチが多数設置されています。
下草もなく、とっても快適な印象。
とても山のてっぺんとは思えません。
“日本国555”という表記がインパクトのある山頂標識。
2つの山頂標識が横並びに設置されていて、その珍しい山名とゾロ目の標高を強調していますね。
恒例の三角点タッチ。
自撮りしている様子が影となって映し出されてしまい、少し恥ずかしい・・・
何となく、日本を制覇した気分?笑
山頂標識の左奥からの展望。
日本国の山頂には、こんな立派な展望台があります。
こちらも名前を猛烈に協調していますね。
展望台からは、北に鳥海山と温海岳、東に朝日連峰を望むことができます。
山頂には風雨を避けられる休憩舎があります。
日本国は日本海から程近い場所に位置していることもあって、山頂は風が強く、上着を一枚羽織らないと体が冷え切ってしまうほど肌寒い!
風よけに休憩舎を利用している人たちがたくさんいました。
休憩舎の中はこんな感じ。
板の間でとても清潔感があります。
山頂を一通り巡回して眺望を楽しんだら、お待ちかねのおやつの時間。
現地調達した餅入り小豆ぜんざいをパパッと作って、ゆっくりいただきます。
バーナーでしっかり温めたぜんざいが、冷え切った体を内側からじんわりと温めてくれました。
蔵王堂コース下山
小腹が満たされて体力も回復したら、ぼちぼち下山です。
蛇逃峠まで一気に下り、登ってきた道とは違う蔵王堂コースのほうへ。
正直、蔵王堂コースは何ということもない普通の登山道で、これといった特徴はありません。
小俣コース同様、整備はしっかりされているので安心して歩くことができます。
このように、段差の大きいところや急斜面続きのところもあるので、下りだと膝にはこたえるかもしれませんね。
蔵王堂コースは、椿の群生地があることでも知られています。
艶のある濃い深緑色の葉が、椿の葉。
登山道の両脇に広がっているのが確認できるでしょうか。
椿が群生している急傾斜を下り終えると、杉林の中の緩やかな登山道に入っていきます。
ちょっと不気味な雰囲気で苦手な杉林ですが、ひんやりとした空気が暑い季節には逆にうれしいかも。
蔵王堂コースというコース名の由来になっているチェックポイント、蔵王堂まで下りてきました。
登山口近く、眼下に広がっているのは菜の花畑。
春らしい黄色が目にも鮮やかです。
あっさりと蔵王堂口に到着。
これにて日本国登山は無事終了です。
ここから駐車場までは約1kmの下り坂になります。
最後が上り坂でないところがうれしい!
小俣コースと蔵王堂コースを使って周回する場合は、登りを小俣コース、下りを蔵王堂コースにするのがわたしのおすすめ。
頑張って登った先に日本海を一望できる絶景、下りは文字通り下るだけという理想的なコース取りだと思います。
日本国登頂証明書の発行手続き
駐車場までの舗装道路を歩いている途中、“小俣宿ここから”の案内を発見。
小俣宿は、かつて出羽三山への参拝者など多くの人々が訪れたという出羽街道の宿場町。
昔ながらの趣ある家屋が軒を連ねて、小俣集落独特の風情ある町並みを作っています。
それぞれの家屋の軒先には屋号看板が掲げられていて、歴史ロマンを感じながら歩いてきました。
集落でお会いした住民の方たちが、気さくに挨拶してくれたのもうれしかったです。
出典:村上市観光協会
こちらは小俣集落にある郵便局、日本国麓郵便局。
小俣宿では郵便局までこんな趣のある造りになっているんですね!
景観を損ねない建物で、とても素敵な雰囲気です。
そう言えば、日本国の登山口と山頂に、こんな看板があったのを思い出しました。
日本国山頂の休憩舎にある“登頂照明スタンプ”を備え付けの紙に押して、小俣集落にある発行処へ持っていくと、“日本国登頂証明書”を発行してくれるんだとか。
発行費用は500円で、1~2週間程度で郵送されるそうです。
令和初の登山で、しかも日本国という名前がインパクトのある山。
「これは絶対に登頂証明書がほしい!」ということで、発行処へ向かうことにしました。
発行処は、
- 田宮酒店
- 田宮彦作商店
の2か所。
発行費用の500円を取りに駐車場に戻ったので、そこから近いほうの発行処、田宮酒店に行きました。
郵便はがきに住所氏名など必要事項を記入したら、こちらの専用ポストに投函。
あとは登頂証明書が郵送されてくるのを待つだけです。
あの風情ある日本国麓郵便局の風景印が消印として押されるということで、併せてそれも楽しみ!
こんな遊び心のある企画を思いついた“日本国を愛する会”、「なかなかやるな~」と上から目線ですが感心してしまいました。
※後日、“日本国登頂証明書”が届きました!
その名前も数字も目を引く日本国、結論から言うと決して名前負けしていない素敵な山でした!
おまけ 道の駅あつみ『しゃりん』
道の駅あつみ『しゃりん』で刺身定食をいただいてから帰路につきました。
山行記録まとめ
活動時期
2019/05/02(木)10:29~14:39
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