【羽黒山】花祭りで激混雑の羽黒山、二の坂茶屋にて力餅と力こんにゃく!

今日は、山形県民であれば誰もが一度は登ったことがあるであろう、出羽三山のひとつ、羽黒山に行ってきました。
わたしもこれまで、小学校の遠足、両親と参拝など、何度か登っている羽黒山ですが、今年、平成30年は、

  • 天皇陛下御在位30年の佳節の年
  • 出羽三山神社において三神合祭殿再建200年
  • 羽黒山が神社となって150年の節目の年

ということで、国宝である五重塔の内部が特別公開されているんだそう。
これは貴重な機会だと思い、参拝がてら見学に行ってみることにしました。

羽黒山とは

羽黒山は、月山、湯殿山とともに出羽三山として信仰の対象となってきた山です。
国宝とされている五重塔や、樹齢千年以上ともいわれている爺杉、国の重要文化財である三神合祭殿のほか、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で3つ星を獲得した杉並木など、観光地としても見どころたっぷり!
もちろん、山形百名山のひとつでもあります。

出典:やまがた山

羽黒山は標高414mという低山にもかかわらず、2446段もの石段を上り続けなければならないため、それなりに体力を必要とする山です。
実際、山形百名山のグレーディングでも体力度2とされているので、生半可な気持ちで登ると痛い目を見るでしょう。
観光地でもあることから、女性などサンダルやパンプスで登っている人も多く見受けられますが、おすすめできません。
とはいえ、山登りに慣れている人であれば、自然を楽しみながら難なく登っていける山でしょう。

石段には盃やひょうたん、蓮の花などが刻まれていて、33個すべてを見つけることができると願いが叶えられると言われています。
それらを探しながら一歩一歩登っていくのも楽しみのひとつです。

出典:やまがた山

標高 414m
日程 日帰り
登山適期 4月~11月(無雪期)
チェックポイント 祓川神橋/須賀の滝/爺杉/国宝・五重塔/表参道杉並木/斎館/南谷史跡/重要文化財・三神合祭殿/重要文化財・鐘楼と大鐘/霊祭殿/奥の細道古道/吹越籠堂

羽黒山の登山コース

羽黒山の登山コースは、石段を登るコースのほかに奥の細道の古道を登るコースがあります。

羽黒山の登山コース

①石段コース 片道:1時間10分
②「奥の細道」古道コース 片道:50分

①の石段コースは、羽黒山の歴史的建造物や自然の景勝地をめぐるメジャーなコース。
随神門をスタートし、国指定特別天然記念物にもなっている樹齢数百年以上の杉並木の間をひたすら登っていきます。
随神門から羽黒山山頂までは、距離にして約1700m、登る石段の数は2446段。
祓川にかかる赤い神橋からは須賀の滝が見られ、左手には樹齢千年を超えるとも言われている爺杉、平将門が創建したとされている五重塔が続きます。
別名“油こぼし”とも言われる急な坂、二の坂を登りきると、力餅と力こんにゃくを名物としている二の坂茶屋があります。
三の坂の手前には松尾芭蕉が俳句を詠んだ南谷史跡があり、三の坂の途中には縁結びの神様が祀られています。
最後の三の坂を越えると山頂に到着。
三神合祭殿や鏡池、鐘楼や大鐘などの重要文化財を見ることができます。

②の「奥の細道」古道コースは、昔、羽黒山から月山へ登拝するときに歩いた古道をたどるコースです。
荒澤寺をスタートし、ブナと杉に囲まれた参道を歩いていきます。
コースの途中にある吹越籠堂は、現在も山伏たちが修行する道場として使われています。

羽黒山登山の駐車場と登山口

今回は、羽黒山への登山コースとしてメジャーな①石段コースを登ります。
とはいえ、ほとんどの人がこちらのコースを迷うことなく選ぶでしょうね。

鶴岡市街から大鳥居をくぐり、いでは文化記念館の駐車場に車を停めて出発です。

・・・と、文章ではあっけなく書いていますが、この駐車場に停めるのがこの日は至難の業でした。

いでは文化記念館付近に到着するなり、駐車待ちの車が長蛇の列をなしており、しばし呆然・・・
調査不足で後から知ったのですが、今日は”花祭り“という行事が羽黒山山頂であったんですね!
そう言えば、造花を手に持って石段を下りてくる参拝客の方が何人もいらっしゃいました。
稲の花に見立てた造花を家の門戸に飾り、五穀豊穣・家内安全・悪霊退散の守り神にするそうです。

羽黒山の登山口になっている随神門の前には、このように出店が出されていました。

ぶら下げられた提灯が、お祭り気分を盛り上げています。

羽黒山随神門~祓川神橋・須賀の滝

随神門をくぐって、羽黒山登山スタートです!

随神門の脇にある天拝石。

随神門から始まる表参道は、全長約1700m、2446段の長い石段になっています。
石段の両側には、樹齢350~500年の杉並木が続いていて、右側284本、左側301本、総数585本が国の特別天然記念物に指定されているとのこと。

随神門をくぐってすぐ、祓川までは石段の下りです。
途中、このように神社がいくつか密集しているので、それぞれにお参りを。

すると間もなく、祓川神橋に差し掛かり、祓川とその奥に須賀の滝が見えてきます。

須賀の滝近くまで行って、滝を下から見上げるように間近で見てみました。
細かい水しぶきがミストのように頭から足先まで降り注ぎ、とても気持ちいい!

さっきまで立っていた祓川神橋を須賀の滝から眺めてみます。
真っ赤な欄干が緑に映えてとってもキレイ。

苔むした灯篭も趣があっていいですよね。

灯篭の前に咲く、可憐な草花たち。
ドクダミがすごく多かったです。

爺杉、国宝・五重塔~二の坂茶屋

さて、祓川や須賀の滝を見て涼を感じた後は、いよいよ国宝・五重塔です!
とその前に、五重塔の手前にある爺杉をご紹介します。

祓川神橋を渡ると間もなく左手に見えてくるのが、こちらの爺杉。
樹齢千年以上とも言われていて、国の天然記念物に指定されています。

昔は、婆杉と並んで羽黒山の名物だったそうですが、明治35年(1902年)の台風で婆杉が倒れてしまったんだそう。
なんだか物悲しい姿に見えるのはそのせい・・・?

こちらの爺杉から右奥に目をやると、国宝の五重塔が視界に入ってきます。

五重塔は、高さ29.9m、三間五層素木造りの柿葺き。
903~940年に平将門によって創建されたと伝えられています。
現在の塔は、南北朝時代に再建されたもの。

とても均整のとれた姿をしていますよね。

今年は、この五重塔の内部が特別に公開されるということで、拝観料を払う人たちが長蛇の列をなしていました。

今回は、五重塔の内部を一目見たくて羽黒山に来たわけですが、あまりの行列の長さと時間的な理由からやむなく断念。
11月4日(日)まで公開されているらしいので、またの機会にしました。

 

さて、爺杉と五重塔を後にして、羽黒山登山はここからが本番です。
まるで永遠に続くかのような石段をひたすら登っていきます。

今日は山登りの格好だけど、登山靴ではなくNIKEのスニーカー。

ここで羽黒山の石段に関する豆知識をひとつ。
羽黒山の石段には、盃やひょうたん、蓮の花など、全部で33個の絵が彫られています。

これらすべてを見つけることができた人は願いが叶うと言われているので、一段一段丁寧に確認しながら登るのもまたひとつの楽しみ方ですね。

 

足元だけではなく、周りを見ながらゆっくりと登っていくと、不思議なものがあったり、面白いものを目にすることができるかも。

羽黒山で最も急な坂と言われている二の坂を頑張って越えれば、二の坂茶屋が待っています。
力もちと力こんにゃくが名物で、参拝客にとってはまるでオアシスのような存在です。

二の坂茶屋

二の坂茶屋は、別名“油こぼし”とも呼ばれる急な坂、二の坂を登りきったところにあるお休み処です。

冷えた飲み物はもちろん、かき氷やところてんなど、この暑い時期にぴったりの食べ物が用意されています。

でも、この二の坂茶屋の名物は何と言っても“力餅”!
二の坂茶屋の力餅は、杵と臼を使って毎日お店で作られているため、弾力が自慢。
食べると力がつくとして、羽黒山表参道で一番の難所、二の坂を登りきったところにある二の坂茶屋で昔から食べられてきたといいます。
原料は、米どころでもある地元、庄内のもち米のみ。

  • あんこ餅
  • きなこ餅
  • 納豆餅

の3種類があり、抹茶と一緒にいただくこともできます。

今回は、あんこ餅ときなこ餅のミックス餅5個(抹茶付)700円を注文しました。

ひと口サイズの餅はとっても柔らかく、それでいてしっかり弾力もあり、疲れた体にしみわたっていくような程よい甘さで・・・
苦くて渋い抹茶とは、この上なく最高の相性。
とっても贅沢な気分を味わうことができました。

二の坂茶屋はお土産物屋さんにもなっていて、プロの写真家が撮影した五重塔のクリアファイルやほら貝のキーホルダー、さまざまな柄の素敵な手ぬぐいなど、魅力的なものばかりが所狭しと並べられていました。

手ぬぐいは、登山中はもちろん、下山後の温泉でも使えるので、今さらながら「買えば良かったかな~」とちょっと後悔。

とにもかくにも、名物の力餅をいただいたので、三の坂を登りきる力がついたはず。
羽黒山山頂までのラストスパート、頑張って登りましょう!

二の坂茶屋~三の坂

三の坂を登っていくと、右手に小径があり、その小径を300mほど行った場所に南谷史跡があります。

南谷は、寛文2年から3年(1662~63年)にかけて羽黒山を切り開き、山上から寺院を移築し、庭園を造った場所で、元禄2年(1689年)には松尾芭蕉が訪れた場所として知られています。

何度か羽黒山を訪れているにもかかわらず、この南谷史跡には一度も足を踏み入れたことがないので行ってみたかったのですが、今回もお預けとなりました。
誰一人として向かう人がいないので、ちょっと心細かったり・・・というのはわたしの柄でもないですが、時間も押していたので諦めました。
「また来ようと思えばいつでも来れるし!」って思ってしまうんですよね。

 

南谷史跡への分岐からさらに上に登ると、左側にひとつ、そしてまた左右にひとつずつ、神社が見えてきます。

そして、こちらも毎回気になっている斎館。

斎館は、元禄年間に再建された建物で、参拝者の宿泊所や食事処として利用されています。
こちらから庄内平野の雄大な景色が楽しめるほか、山の幸を中心とした精進料理がいただけるとして人気があるようです。

 

斎館を過ぎれば、羽黒山山頂まではあとわずか。

ようやく鳥居に到着しました!

羽黒山 山頂 鳥居

羽黒山山頂

鳥居の手前、左側に手水舎があるので、お清めをしてからお参りに行きましょう。

羽黒山、月山、湯殿山の位置関係はこんな感じ。
信仰の山、出羽三山です。

今日はこちらで花祭りがあったのでしょうか?
どんなお祭りだったのか、見てみたかったです。

羽黒山山頂にはたくさんの神社がありますが、ひと際目を引くのはやっぱりこちら、重要文化財でもある三神合祭殿

高さ28m、厚さ約2.1mもの萱葺屋根は、東北一の規模を誇ります。
内部は総漆塗で、周りの装飾も見事。
神仏習合時代の名残りがあり、荘厳な雰囲気に圧倒されます。

三神合祭殿では、羽黒山神社のほか、月山神社、湯殿山神社の三神が祀られていて、御朱印をいただくこともできます。

それから、羽黒山山頂にあるもうひとつの重要文化財、鐘楼と大鐘がこちら。

この大鐘の大きさは、口径1.68mで、中世以前のものとしては東大寺鐘に次ぐ大きさだといいます。
間近で見ると、本当に圧巻ですよ。

 

たくさんある神社はご利益がさまざまなので、立て札を読んで自分にぴったりの神社にお参りするのもいいですね。

松尾芭蕉の像や句碑もあります。

一通りお参りが終わったので、鏡池のほうから三神合祭殿を眺めながら下山することにします。

再び二の坂茶屋

登山時は多少きつかった石段も、下山時はそう負担に感じることなく、あっという間に二の坂茶屋まで下ってきました。

今度は、これまた力がつくという力こんにゃくを注文。

遠くに庄内平野と日本海を眺めながらの休憩は、最高のひとときですね!

花祭りには間に合いませんでしたが、樹齢千年以上の爺杉や内部特別公開中の五重塔、厚さ2mの茅葺き屋根が印象的な三神合祭殿を間近に見物することができ、大満足の一日でした。

山行記録まとめ

活動時期
2018/07/15(日) 12:10~15:49

軌跡・時間・距離

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