【鳥兜山】蔵王のドッコ沼から鳥兜山、不動滝まで

紅葉の見頃ギリギリのところを逃すまいと、蔵王連峰の鳥兜山(トリカブト山)に登ってきました。
今回は、蔵王温泉スキー場上の台ゲレンデからドッコ沼、中央ゲレンデから鳥兜山、そして不動滝までたどる登山コースをご紹介します。

鳥兜山とは

鳥兜山は、蔵王連峰に位置する山で、山形百名山のひとつに選定されている山です。

出典:やまがた山

“トリカブト”と聞くと、日本三大有毒植物のひとつである、あのトリカブトを思い浮かべてしまいますが、鳥兜山の実際の山容は毒とは無縁のたおやかな姿。
有毒植物のトリカブトも、山形百名山の鳥兜山も、その名前の由来は姿形が鳳凰(ほうおう)の頭部に似ていることからだとされています。

標高 1387m
日程 日帰り
登山適期 6月~10月
チェックポイント 蔵王大権現/ドッコ沼/鳥兜山展望台/不動滝

鳥兜山の登山コース

山形の山を登るときにわたしがいつも参考にしているサイト、『やまがた山』によると、鳥兜山へのコースは2コース。

鳥兜山の登山コース

①散策一周コース 片道:2時間~2時間40分 レベル:初級ハイキング
②七曲登山道コース 片道:1時間30分 レベル:初級

①の散策一周コースは、蔵王中央ロープウェイを使って蔵王大黒天が祀られている鳥兜山展望台、紅葉峠、片貝沼、目玉沼、うつぼ沼、ドッコ沼という湖沼めぐりができるハイキングコースを歩くコース。
ロープウェイで一気に標高を稼ぐことができるので、登山初心者の方や観光客の方にもおすすめのコースになります。

一方、②の七曲登山道コースは、蔵王温泉スキー場上の台ゲレンデからスタートする初級コース。
ロープウェイを使わないので、自分の足で登りたい!という信念のある方におすすめです。

蔵王温泉スキー場上の台ゲレンデ~蔵王大権現

さて、そんな信念をもつわたしが選んだコースはもちろん②七曲登山道コース
蔵王ベースセンタージュピアの南側の道路をたどってゲレンデを登っていきます。

 

ゲレンデ内の舗装された道は、最初こそ傾斜が緩やかなものの、少し歩くと一気に傾斜がキツくなっていきます。

しばらくはこんな道が続きます。

写真では、この地味だけどキツい坂道を上る大変さがいまいち伝わらないのが残念ですが・・・
登ってきた道を振り返ったときの写真を見てもらえれば、なんとなく分かっていただけるかと。

ゲレンデ内にポツポツと咲いている花を眺めながら、ただひたすらに坂道を登っていきます。

ゲレンデの横にこんもりと茂った樹々が色とりどりに色づいています。
紅葉の見頃も中盤、だいぶ下のほうに下りてきているようです。

このあたりから霧が立ち込めてきました。

何度も足を止めながらやっと蔵王大権現様付近に到着!

 

こちらには蔵王スカイケーブル中央高原駅があります。

そしてその前に鎮座するのが蔵王大権現様。

蔵王大権現様は、不老長寿、水の神として崇拝されているそうです。

こちらの広場は、ドッコ沼に向かう道と不動滝に向かう道の分岐にもなっています。

蔵王大権現~ドッコ沼

蔵王大権現様からドッコ沼まではあっという間!
ドッコ沼の前には駐車スペースがあって、何台もの車と観光客の姿がちらほら見えてきました。
観光客のみなさんが車で乗りつけて記念撮影をしている姿を見て、しばし呆然・・・

気を取り直して、肝心のドッコ沼の景色はというと、ご覧の通り、霧がかかって真っ白な状態。

 

かろうじて岸辺の樹々が紅葉しているのが見えます。

お昼の時間はとうに過ぎていてあまりにお腹が空いていたので、ドッコ沼にあるベンチでお昼ごはんという名の菓子パンをいただくことに。
気圧でパンパンに膨らんだ袋にびっくり!

ドッコ沼には依然として霧が立ち込めていて、そこに沼があるのかどうかすら分からないような状態だったので、早々に退散することにしました。

ドッコ沼~蔵王大黒天・鳥兜山展望台

さて、最終目的地である鳥兜山に向かって出発です!
中央ゲレンデ内を通り、鳥兜山に向かいます。

“健康の鐘”という鐘があったので、健康を祈願して鳴らしてみました。

 

この寄り道が良くなかったのか、中央ゲレンデ内を最短で通っていくつもりが、ちょっと遠回りをしていたようで・・・

果たしてこれが中央ゲレンデなのかどうかすら分からず・・・
他の登山客の後を何の気なしについていったのが失敗だったようです。

途中で向こう側のゲレンデに行けそうな道を発見したので、こちらを通ってみることに。

中に入ると、ゲレンデ内とはちょっと違った雰囲気。

緑のじゅうたんがとってもキレイ!

この道を抜けると向こう側のゲレンデに抜けることができました。

 

霧の中、向こう側のゲレンデまで進んでいくと、このような階段が。

とにかく霧が濃くて視界が悪く、方向音痴のわたしは自分のいる位置が分からなくなってしまいました。

それでもGPSをチェックしながらゲレンデの上へ上へと進んでいくと、ようやくゲレンデの最高地点と思われる場所に。

そこから舗装された道を右手側に向かって少し行くと、“蔵王大黒天鳥兜山展望台”への案内がありました。

ここからは気持ちの良い林の中を進んで行きます。

鳥兜山の頂上に着く手前、パッと開けた場所に出ました。
霧が立ち込める中、向こうの山並みが薄っすらと現れて、思わず「すごーい!」と感嘆の声を上げてしまいました。

これで天気が良かったら最高なんだろうなーと思いながら、しばらく眺めていると、何というタイミングでしょう!
いきなり霧が晴れて、向こうの山の全容が見えてきました。

 

このタイミングを逃したら大変!と、大急ぎで山頂にある鳥兜山展望台へ。

 

展望台というだけあって眺望は最高!
眼下には一面に広がる色とりどりの樹々が!!

 

あまりにキレイすぎて、美しすぎて、人目もはばからず「キレー!キレー!」とはしゃいでしまいました。

こちらの鳥兜山展望台には、家内安全と商売繁盛、観光客の旅の安全を願う蔵王大黒天様が鎮座しているので、忘れずにお参りを。
蔵王大権現様に続いて、蔵王中央高原の開運スポットになっています。

お参りが済んだら、“開運の鐘”を鳴らして思い思いにお願い事を・・・

鳥兜山の山頂でもあるこちらには、登山者であれば絶対写真に収めておきたい山頂の標識もしっかりあります。

こちらからの眺望も最高です!

蔵王大黒天・鳥兜山展望台~不動滝

頂上からの景色を思う存分満喫した後、時間に余裕があれば行きたいと思っていた不動滝へ向かうことに。

ゲレンデ内を下って、とりあえずドッコ沼まで戻ります。

霧もすっかり晴れて、樹々が美しく紅葉した姿を見せています。

そして、何と言っても最高だったのが、霧で真っ白だったドッコ沼!
そこに沼があるのかどうかさえ分からないほど濃霧に包まれていましたが、まるで夢だったかのように素晴らしい光景を見せてくれていました。

あのとき、霧の中で撮影していた観光客の方たちの姿は当然なく、この地に長く居座った甲斐があった!とうれしく思いました。
美しい景色を見れるかどうかは本当に運やタイミングなんですね。

これだけ美しい沼なんだから、水神様として祀られている竜の伝説も本当なんだろうなーと思えてきますね。

 

さて、ドッコ沼の側にある分岐から目的地の不動滝までは約1.2km。

 

ゲレンデの急斜面を上り下りして疲れきった脚には長い距離のように思えましたが、せっかくなので行ってみます。

不動滝散策道の入り口にある看板を見ても、素敵な滝に違いありません。

 

散策道というだけあって道も歩きやすく、行きは下りなので意気揚々と進んで行きました。

背後からいい感じに陽の光が差してきたので、こんな面白い写真も撮れました。

 

名付けて、“あしながおじさん” ならぬ “あしながおばさん”  。

そのまま振り返ると、これまた素敵な景色・・・

「生きてて良かった・・・」
そんなことを冗談抜きでつぶやけるほど、心にじわ~っと染み渡っていく瞬間です。

あれほど厚い雲に覆われていた空もいつの間にか青空が見えるくらいになっていて、紅葉した樹々を陽の光が照らしています。

「超キレー!」
ドッコ沼に次いで、今日イチの光景を見られたような感動で、カメラ(iPhoneですが)を持つ手が震えました。

ブナ林、やっぱり最高です!

ブナ平を過ぎると、聞こえてきたのは水の音・・・
不動滝は近い!?

木の橋を渡る際、水のせせらぎにこれまた癒されます。

 

 

そこからさらに進むと、一部ぽっかりと穴が開いたように視界が開けた場所へ。
明と暗、まさにそんな感じのコントラストがわたしの胸を鷲づかみにしました。

 

ここまで来ると、滝の流れ落ちる音が間近に響いてきます。

ですが、その前に・・・
道が・・・ない!?

 

というのはもちろん冗談で、不動滝の手前にはその先がないように見えるほど急な下りが待っていたのです。

こんな看板まであるくらいですから・・・

種明かしをすると、道の先はこんな急な階段になっています。
(下からよりも上から撮影したほうが急な階段だというのが伝えられたかもしれませんね。)

滝のしぶきでだいぶ湿っていて滑りやすくなっているのも恐怖を倍増させます・・・

不動滝までの散策道を歩いてきて何組かの登山客や観光客の方とすれ違いましたが、中にはスカートにヒールのブーツという女性もいたので、大丈夫だったかどうかいらぬ心配をしてしまいました。
それくらい、滝の手前の急な階段には登山靴のわたしでもかなりの恐怖を覚えました。

ですが、ここまで来て恐怖のせいで滝を間近に見れないなんて女がすたる!と決心して、慎重に慎重を重ねて降りていくと、紅葉の中で静かに流れ落ちる3本分かれの滝が!

 

さっきまで葛藤していた恐怖心はどこへやら、もっと間近に滝を感じたくてさらに下りていくとまさに圧巻の光景が目の前に。

こんな素敵な光景が見られるなんて・・・恐怖に打ち勝って下ってきた甲斐がありました!

不動明王様にもお参りをして、もと来た道をたどって帰路につくことに。

行きはあれほど苦労させられたゲレンデの急斜面ですが、帰りは難なくクリア。
紅葉を眺めながら余裕の下山です。

ゲレンデ下から鳥兜山展望台を眺めると、さっきまで自分が立っていた場所に人がちらほらと動いているのが見えました。
こうやって頂上に立った山を下から改めて眺めると、感慨もひとしおです!

とにかく最高の山行ができたことに感謝です。

山行記録まとめ

活動時期
2017/10/14(土) 12:15~16:34

軌跡・時間・距離

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