【二ツ森】尾花沢の二ツ森にて初めての沢渡り
まるで、ふたこぶラクダの背中のように見える、尾花沢の二ツ森。
以前からとても気になっていたので、「今年最後の山登りに!」と思い、登ってきました。
初めての沢渡りにもチャレンジです!
二ツ森とは
二ツ森は、山形県尾花沢市に位置する双耳峰で、標高742mの北峰(男山)と標高695mの南峰(女山)の2つの頂から成る山です。
出典:やまがた山
二ツ森は、ふたこぶラクダの背中のような姿が特徴的な山で、気軽に散策できる低山として人気があります。
馬に乗せる鞍にも見える、その特徴的な姿から、地元では“荷鞍山(にくらやま)”とも呼ばれています。
登山道があるのは登山口から向かって右側の南峰のみ。
頂上からの展望は360度で素晴らしく、鞍部から上のほうには高い木がほとんどないため、まるで高山のような雰囲気が味わえます。
標高 | 695m(南峰) |
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日程 | 日帰り |
登山適期 | 5月下旬~11月中旬 |
チェックポイント | のぼり滝/交通安全大明神/息子森 |
二ツ森の登山コース
二ツ森の登山コースはいたってシンプルな往復一本道。
片道1時間のピストンコースで、道迷いの心配がないので、まさに登山初心者向けの登山コースといえるでしょう。
二ツ森登山コース | 片道:1時間 | レベル:初級 |
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登り始めてまもなく見える息子森の岩峰や、冬になると見事な氷瀑ができるというのぼり滝が見どころの登山コースです。
二ツ森登山の駐車場と登山口
尾花沢市街をすぎ、国道347号線を古川方面へ向かうと見えてくるのが、“和牛育成センター”の看板。
二ツ森登山口は、センター奥の放牧場の先にあり、登山口付近まで車で乗り入れることができます。
放牧場内は一般者立ち入り禁止なので、牛舎を通りすぎる際には一言あいさつをして入りましょう。
牛舎の直前にはゲートがあり、午後4時30分には通行止めになってしまうので注意!
牛舎をすぎて放牧場に入る直前にこのような看板があります。
この看板に従って右折し、放牧場内の車道をしばらく行くと、車を数台停めることができる登山口に到着。
742mと表記されている標高は、二ツ森の北峰。
北峰のほうが695mの南峰より高いのですが、北峰には登山道がないので南峰に登ることになります。
この地点からも二ツ森のユニークな姿を望むことができ、モチベーションが上がります!
では、二ツ森登山スタート!
二ツ森登山口~のぼり滝
写真に収めることはできませんでしたが、登山口に到着する手前、カモシカに遭遇しました!
車の中から少しの間カモシカと対峙しただけなのですが、その出来事のせいか熊との遭遇をリアルに想像しすぎてしまい、登り始めはかなりビクビクしていました。
熊鈴を必要以上に揺らし、さらに古いiPhoneに入れてきた音楽を大音量で流し、周りをキョロキョロしながら足早に歩いていきます。
少し行くと、前方に案内標識らしきものが。
今日はあいにくの曇り空、秋もだいぶ深まってきていますね。
先ほど遠くから見えていた案内標識は、“のぼり滝”への分岐を示す看板だったようです。
二ツ森山頂に向かう登山コースからは外れますが、分岐点から5分ほどで“のぼり滝”が見られる展望台に到着できるらしいので、ちょっと寄り道をしてみようと思います。
気持ちの良いブナ林の中を進むにつれ、不思議と熊への恐怖心が少しずつ薄れていきました。
それでもまだ音楽を止める勇気はありませんが・・・
数分ほど歩くと、視界が開けた場所に到着。
行き止まりのようなので、おそらく“のぼり滝”の展望台に着いたのでしょう。
右手に見える岸壁が“のぼり滝”です。
この“のぼり滝”は岸壁にかかる涸れ滝で、梅雨時期や雪解け時期以外は水量がほとんどありません。
今回も、上のほうでわずかにちょろちょろと水が流れている程度でした。
普段はこのように黒ずんだ岸壁の姿を見るだけになってしまいますが、冬には見事な氷瀑が見られるそうなので、それもまた楽しみのひとつになると思います。
のぼり滝~鞍部
さて、“のぼり滝”を後にして、再び本コースに戻ります。
なんだか雲行きが怪しくなってきました。
しばらく行くと、このような小さな沢にぶつかりました。
上へ上へと登るほどに沢幅が広くなり、足の置き場を考えなければいけなくなってきました。
苔むして濡れている石はヌルヌル状態なので、一歩一歩慎重に進んでいきます。
思えばこれが初めての沢渡り!
これまでの山登りでも、湿地のような場所は通ったことがありますが、沢らしい沢を横切ったことはありませんでした。
まさか二ツ森で沢渡りをすることになるとは思ってもいなかったので、沢の突然の出現にびっくりでしたが、登山スキルがちょっとアップしたような気分になれてうれしかったです。
沢を過ぎると、やや明るいブナ林の登山道。
ブナの木はほとんど落葉していましたが、黄色く色づいた樹々がキレイ!
途中、横倒しになって苔に覆われた木の幹を発見。
『もののけ姫』に登場する“こだま”が並んで座っていそうです。
登山道にせり出した木の枝が、自然のトンネルを作っています。
ブナ林の中にある窪地に沿った道を登ると、樹々の間に岩峰が見え始めました。
左手に見える岩峰、どうやらこれが息子森のようです。
紅葉の美しさを味わいながら登山道を進んでいきます。
さらに高度を上げていくと、次第に高い木が少なくなってきて、どんどん視界が開けてきました。
原っぱには笹とススキが広がっていて、ここが北峰と南峰の鞍部になります。
向こうに望めるのが二ツ森の北峰、男山。
振り返ると、放牧場の奥にのどかな田園風景が広がっているのが見えます。
麓に見える家々がミニチュアのよう!
鞍部から見上げる北峰には、やはり登山道らしきものはなさそうです。
一方、これから登る南峰には、登山道を確認することができます。
北峰と南峰の鞍部には、“交通安全大明神”の石碑が建てられています。
鞍部は眺望が良く、芝生になっているので、グループ登山など大勢でお弁当を広げるにもぴったり!
もちろん、山頂まではあとわずかなので、山メシは頂上で!という人の休憩場所としても。
この鞍部から南峰山頂までは、急な斜面を直登する最後の登りになります。
鞍部~二ツ森山頂
灌木がつきて、笹と草原に覆われた南峰は、標高700mにも満たない低山にもかかわらず、まるで高山のような雰囲気。
その理由は、季節風の通り道という地理的条件によるものだそうです。
周りに高い木が一切ないので、周囲の山々を眺めながら山登りを楽しむことができます。
ぐんぐんと高度を上げて、南峰山頂に到着!
山頂には石碑がぽつんと建てられていました。
標高を見ると・・・あれ?
・・・675m??
『山形県の山』によると、南峰の標高は695mだったはず。
どういうことなのか、ちょっと謎です。
南峰山頂から見る北峰は、鞍部から見上げたときよりもなぜか近くに感じられました。
山頂付近は風がものすごく強くて、何度も帽子を飛ばされかけました。
ですが、展望は360度で思いのまま!
鳥海山、月山、葉山、御所山などの山々はもちろん、箱庭のような街並みを心ゆくまで眺めることができます。
天気が良かったら最高の眺めに違いありません。
思う存分、山頂からの景色を楽しんだら、往路を下って帰路につきます。
南峰を下って、来た道を振り返ると、さっきまで頂上に立っていたことが不思議に思えるほどの迫力!
二ツ森山頂~下山
山登りをすると毎回思うのが、上りより下りのほうが景色を見る余裕があるなーということ。
今回は、ピストンコースで往路も復路も全く同じ登山道を歩いたわけですが、景色の見え方や感じ方が行きと帰りでは全然違うんですよね。
もちろん、下から見る景色と上から見る景色が違って見えるのは当然のことなのですが、上りより下りのほうが立ち止まって景色を楽しむ余裕があるというか・・・
時間の目途が立ったこともあってか、ゆったりした気分で紅葉を眺めることができました。
その証拠に、自然と写真の枚数も多くなっています。
息子森の岩峰が見えてきました。
なんだかニヒルな笑みを浮かべているように見えるのはわたしだけでしょうか?
見れば見るほど顔に見えてきます・・・
息子森の表情が目に焼き付いて離れません!
息子森の視線から逃れるように先を急ぐと、あっという間に沢に出ました。
水量はそれほどないものの、沢を渡らなければならない箇所があり、ちょっとした冒険気分が味わえました。
実際、滑って片足を水の中に突っ込んでしまったので、冒険はしましたね。
無事、駐車場にたどり着き、車で牛舎のほうへ戻る途中、見晴らし台の看板が目に留まりました。
せっかくなので、見晴らし台に登ってみようと思います!
見晴らし台に登って二ツ森を振り返ると・・・
すごくキレイ!
独特の姿といい、形といい、空から地面まで本当に絵になる風景ですよねー!
さっきまで雲行きが怪しかったのですが、タイミングよく青空まで見えてきて・・・
快晴だったら最高の光景が見られるのでは?
見晴らし台から見る反対の方向はというと、これまたのどかで落ち着ける風景。
里を見守ってくれている山の気分になってしまいました。
これで2017年の山登りは終わりです。
登り納めに地元の山に登ることができて良かったです!
山行記録まとめ
活動時期
2017/10/28(土) 10:08~12:02
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