【月山】日本百名山・月山山開き!念願の御朱印と百名山バッジ
日本百名山2座目は、山形県を代表する山のひとつ、月山。
前日、前々日と一時的に大雨で、不安定なお天気が続いていたので心配だったのですが、今日は何とかお日様が顔を出してくれて、山開き当日に登山することができました。
念願の御朱印と百名山バッジも手に入れることができたので、それらの情報も合わせてお伝えしたいと思います。
月山とは
山形県のほぼ中央に位置している月山は、北の羽黒山、西の湯殿山とともに出羽三山の主峰として、古くから山岳信仰の聖地として多くの人々に親しまれてきました。
俳人・松尾芭蕉が残した句、「雲の峰幾つ崩れて月の山」は、月山のことを詠んだものです。
ちなみに、月山の読み方は“がっさん”。
この読み方、山形県民にとっては当たり前の読み方ですが、山に馴染みの薄い人が初めて目にした場合、なかなか正しい読み方ができない難読山名なんだとか。
月山は山形百名山のひとつであることはもちろん、日本百名山のひとつでもあり、晴れた日には鳥海山や朝日連峰、蔵王など、山形県の名だたる山々を眺めることができるとして、登山者はもちろん、観光客にもとても人気があります。
出典:やまがた山
標高 | 1984m |
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日程 | 日帰り |
登山適期 | 6月中旬~10月中旬 |
チェックポイント | 弥陀ヶ原/月山神社 |
月山の登山コース
月山の登山コースは、以下の2コース。
月山の登山コース①羽黒(弥陀ヶ原)コース | 片道:3時間 |
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②姥沢(志津)コース | 片道:3時間 |
①の羽黒(弥陀ヶ原)コースは、月山の北側にある旧羽黒町、現在の鶴岡市からの登山コース。
月山8合目まで車で行くことができ、終点には月山レストハウスと駐車場があります。
駐車場から近い弥陀ヶ原湿原には、“生きた化石”とも呼ばれる貴重な湿性植物オゼコウホネが自生していて、登山客以外の観光客も訪れています。
②の姥沢(志津)コースは、月山の南側、西川町からの登山コース。
姥沢駐車場から徒歩で約10分、リフト下駅からリフトを利用すると、ブナの森林帯から森林限界を抜け、リフト上駅まで一気に標高を稼ぐことができます。
リフト上駅からは月山山頂への直登コース(右)と、姥ヶ岳山頂を経由するコース(左)の二手に分かれます。
姥ヶ岳山頂からは月山や湯殿山の雄大な景色を眺めることができるので、雨天時でなければ姥ヶ岳経由コースがおすすめ。
月山レストハウス
今回、わたしが登る月山の登山ルートは、①羽黒(弥陀ヶ原)コース。
150台分の無料駐車場がある月山レストハウスに向かいます。
この日は、月山の山開き“開山祭”だったので、8時の時点ですでに駐車場は満車状態・・・
そのため、駐車場入り口から車道にあふれるような形で路駐する車が何台も列をなしていました。
自宅から月山に向かう途中、雲行きが怪しく小雨もぱらついていたので心配でしたが、旧羽黒町に入った途端、青空が見えてきたのでホッと一安心です。
8合目に到着したときにはもうこの天気で、まさに登山日和!
この時点で標高1400m近くになるので、月山登山が目的でない観光客の方も大満足の眺望です。
月山レストハウスには、協力金100円以上で利用できるトイレが設置されているので、こちらで準備を整えて出発です。
弥陀ヶ原湿原
月山登山口へは、トイレの前の坂道を上ってここからスタート。
月山にはオゼコウホネをはじめとする貴重な植物が数多く自生しているので、外来植物の種を持ち込まないようにするため、種子除去マットでしっかりと靴底をキレイにしてから通行します。
月山の案内板を見てみると、駐車場からほど近い場所にある弥陀ヶ原湿原(みだがはらしつげん)は木道が整備されているようです。
そしてこれが弥陀ヶ原湿原の木道。
まっすぐに伸びている木道が見た目にも気持ちいいです。
なるほど、この木道を歩く分には登山靴など必要ないですし、登山客以外の観光客でにぎわうのも分かりますね。
弥陀ヶ原湿原に入って最初に見つけた高山植物がこちら、ニッコウキスゲです。
↑ニッコウキスゲ
群生とまでは言えませんが、弥陀ヶ原湿原の至るところで目立つ黄色い花を揺らしていました。
そして、群生と言えば、こちらの高山植物が見事に当たり年!
そう、よく咲く年とあまり咲かない年があることで知られている、コバイケイソウです。
真夏の青空に向かって伸びるトウモロコシに見えるのは、わたしが食いしん坊だから?
弥陀ヶ原湿原には、このように雪が残っている箇所もあったり、ここが高山であることを意識させます。
木道のすぐ脇に、咲き始めたばかりのミズバショウの花が咲いていました。
チングルマとイワカガミのコラボレーションも最高にキュート。
↑チングルマ
↑イワカガミ
そして、月山の最大の見どころとも言える光景がこちら、池塘(ちとう)と呼ばれる小さい池です。
池塘は、泥炭地帯にできる特殊な池で、その形は大小さまざま。
写真では分かりませんが、実際によく見ると、どれも風の吹く方向に深く入りこんでいます。
これは、激しい風のせいで風下のほうが波に削り取られてしまうからだとか。
ほぼ安定しているように見える池塘の形も、年々少しずつ変化しているそうです。
池塘越しに、これから登る月山が見えます。
雪渓がとてもキレイ!
池塘が点在する弥陀ヶ原湿原は結構広大なので、この一帯だけでも十分楽しめるのではないかと思うほど。
後ろを振り返ると、スタート地点にあった月山レストハウスがもうこんなに小さく!
弥陀ヶ原湿原の木道が終わると、組石歩道が始まります。
月山は日本百名山ということもあり、整備が行き届いているのでとても歩きやすいですね。
日を浴びて咲いているシラネアオイがとてもキレイ!
この青みがかった薄紫色、わたしの大好きな色です。
木道、組石歩道と歩いてきて、今度はちょっとした沢歩き。
ピリッと冷たい雪解け水です。
雪解け水があるということは、その先に待っているのは・・・
そう、雪渓です。
一応、軽アイゼンは準備してきたのですが、誰も装備する人がおらず・・・
登山靴だけではもちろん滑りまくって仕方がないので、バックパックのサイドポケットからトレッキングポールを出して、第3、第4の足として活用。
滑っても転ばないように、慎重に登っていきます。
ちなみに雪渓の傾斜はこんな感じ。
結構急ですよね。
雪渓から遠くに目をやると、かすかに見えるのが庄内平野。
雪渓の端は、こんな風にぽっかりと穴があいているので注意!
誰かが踏み抜いたような跡も。
緊張しながら雪渓を登りきると、再び組石歩道が目の前に現れました。
このあたりから、少しずつ空の様子が怪しくなっていきます・・・
山頂のほうは、さらに雲が立ち込めていますね。
でも、まだ青空が顔を出している部分もあり・・・
山の天気は変わりやすいといいますが、良いほうに変わってほしいと願いながら歩みを進めます。
下ばかり向いていないで目線を上に上げてみると、コバイケイソウの群生。
さらに奥にはニッコウキスゲも見えます。
どうしても足元に気をとられがちな登山ですが、顔を上げてみるとまるっきり違う景色が見えてくるので、下ばかり見ているのはもったいないですよね!
仏生池小屋
雲行きを心配しながら歩くこと数分、正面に見えてきたのは仏生池小屋(ぶっしょういけごや)。
看板には“佛生池小屋”と表記されていますが、分県登山ガイド『山形県の山』や案内板には“仏生池小屋”と記されているので、新漢字のほうを採用しました。
ちなみに、池というのはおそらくこちらの池のことかと。
間違っていたら申し訳ありません。
こんな可愛らしい花たちが小屋の手前で迎えてくれました。
↑ウサギギク
↑ハクサンイチゲ
仏生池小屋では、トイレ休憩のほか、コーヒーや甘酒などをいただくことができるようです。
・・・と、たった今気づいたのですが、こちらでも月山の百名山バッジが販売されていたんですね!
しかも、仏生池小屋のオリジナル!
メニューの看板にばかり気をとられて、百名山バッジの存在には一切気がつきませんでした・・・
どんなデザインなのか気になります。
小屋の左手にある離れには、バイオトイレが設置されています。
利用するには100円以上の寄付金を支払うのがマナー。
山の上にこのような清潔なトイレが設置されていることに感謝しながら、ありがたく利用させていただきました。
行者返し
さて、バックパックを降ろしてひと休みしたら、月山山頂に向かって再び出発です。
しばらくは、岩ゴロゴロの登山道になります。
コバイケイソウの群落、今年は本当に当たり年ですね!
これから行く先のほうを見ると、完全にガス状態・・・
「月山山頂からの眺望は望めないだろうな~」と残念に思いながら歩くこと数分。
“行者返し”と呼ばれる、月山“羽黒(弥陀ヶ原)コース”で一番の難所に突入です。
前の人の登り方をお手本にしながら、岩に手をついて慎重に登りました。
無事、“行者返し”を越えたら、打って変わって歩きやすい組石歩道に。
少し行くと、風で舞い上がってドライアイス状態になっている雪渓が。
こんな幻想的な光景、下界では冬場でもあまり見られませんよね。
雪があったかと思えば、すぐそばに春色の花が咲いていたり・・・
この花の名前、『高山植物ハンディ図鑑』で調べても分かりませんでした。
振り返ると、反対側も可愛らしいお花畑!
このあたりから、だんだん風が強くなってきたので、水分補給の休憩がてら上着をはおることにしました。
“風の通り道”とでもいうのでしょうか、下からひんやりとした冷気が吹き上げてきます。
とても7月とは思えない、寒々とした景色ですよね。
でも、季節の花はちゃんと健気に咲いています。
↑ミヤマシオガマ
↑ミヤマウスユキソウ
ミヤマウスユキソウは、“日本のエーデルワイス”とも呼ばれるハヤチネウスユキソウより、全体的にかなり小さめの花。
早池峰山以外の東北の高山に自生している花で、尾根筋の風が強い場所でよく見られるそうです。
ミヤマウスユキソウ、純白の綿毛に包まれているような姿が本当に可憐で、一目で大好きな花になりました!
月山山頂・月山神社
さて、しばらく行くとまたまた木道がスタートです。
そして、またまた長ーい雪渓歩き・・・
今度はかなり視界が悪いです。
滑って転ばないように、足元ばかりに気をとられていたので気づきませんでしたが、雪渓の途中から三角点に向かう道があったんですね。
ちょっと登ると、てっぺんにこんな大きな岩があって・・・
月山の一等三角点がありました。
ここで疑問がひとつ。
月山の標高は1984mですが、三角点の標高は1979m。
つまり、山頂ではないところに三角点が設けられているんですよね。
このように、山頂の標高と一等三角点の標高が一致しない山は月山のほかにもあるらしいのですが、月山の場合、山頂には月山神社があるため、神聖な場所を汚さないように配慮したのでしょうか?
あくまでもわたしの推測ですが・・・
三角点に立ち寄った後は、月山神社がある山頂へと向かいます。
・・・にしても、相変わらず霧が立ち込めていますねー
こういう状態のことを登山用語では“ガス”っていうそうです。
開山祭ということで、月山神社の前はご覧の通りの行列。
お祓いをしてもらうために並んでいます。
わたしが登ってきた羽黒(弥陀ヶ原)コースの反対側、姥沢(志津)コースからも続々と登山客、もしくは参拝客が登ってくるのが見えます。
修行僧の方たちが、ほら貝を吹きながら姥沢口方面に下っていきます。
このような姿を目にすると、改めて信仰の山だということを実感しますね。
月山神社の御朱印
月山神社の鳥居が見える場所に座ってお昼ご飯を済ませ、参拝客が少し途絶えたタイミングでわたしもお参りに行きました。
月山神社の中は当然撮影禁止なので、中の様子を写真では伝えられません。
その代わりと言ったらおかしいかもしれませんが、こちらで頂いた御朱印がこちら。
ご覧の通りの達筆さ!
1~2分足らずの間にサラサラッと書いていただきました。
御朱印帳の見開きいっぱいに、はみ出さんばかりに押された大きな御朱印が印象的です。
日本百名山・月山の百名山バッジ
御朱印を頂いた後、他の登山客の方が百名山バッジを購入している姿を見て、わたしも購入するつもりだったことを思い出しました。
わたしが選んだ月山の百名山バッジはこちら。
姥沢(志津)コース上にある姥沢小屋のほか、羽黒(弥陀ヶ原)コース上にある仏生池小屋にもオリジナルの百名山バッジがあるということを知ったのは後日。
この百名山バッジがスタンダードなものだと思って購入したのですが、調べてみるとそうでもないようですね。
ちなみに、こちらの百名山バッジの値段は800円でした。
日本百名山1座目の安達太良山では残念ながら百名山バッジを購入できなかったので、今度は紅葉の時期にでも登りに行きたいな〜なんて、今から思いを馳せているところです。
山行記録まとめ
活動時期
2018/7/1(日) 8:19~14:52
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